
染め物と聞くと、藍や草木を思い浮かべる方が多いかもしれません。そのなかで、少し落ち着いた土の色合いを持つのが「べんがら染め」です。名前は聞いたことがあっても、どんな素材でどんなふうに染まるのかは意外と知られていません。この記事では、滋賀県大津市の染め工房・染 YUI COLORSが、べんがら染めとはどんな染色なのか、その素材の背景や色の魅力を、初めての方に向けてやさしくご紹介します。
べんがらは土から生まれた顔料
べんがらとは、土から生まれる自然由来の顔料です。古くから日本の暮らしのなかで使われてきた色材で、建物の柱や格子、陶器の絵付けなど、さまざまな場面で親しまれてきました。町並みに残る赤みを帯びた木部の色に、べんがらが使われていることも少なくありません。
自然の土をもとにしているため、色合いには独特の深みと落ち着きがあります。鮮やかというよりは、時間をかけて眺めたくなるような、穏やかで温かみのある色です。派手さで目を引くのではなく、暮らしのなかにそっとなじんでいく。そんな性格を持った色材だと言えます。
染 YUI COLORSでは、この土から生まれた顔料を使って布を染めていきます。自然素材ならではの表情を、手を動かしながら感じていただけます。
一瞬で染まり、もみ込んで定着させる
べんがら染めの工程には、染色が初めての方にもうれしい特徴があります。それは、色が布に染み込む瞬間がとても早いことです。染料を布にのせると、色はすっと染み込んでいきます。そのうえで、手でしっかりともみ込むことで、色を布に定着させていきます。
長い時間つけ込んだり、火にかけたりといった複雑な準備が少ないため、工程を追いやすいのがべんがら染めの魅力です。手のなかで色が育っていく感覚は、何度体験しても新鮮に感じられます。
色は混ぜ合わせて自分だけの色をつくることもできます。濃さを変えたり、複数の色を重ねたりと、加減次第で表情が変わります。手順はひとつずつご案内しますので、初めての方も落ち着いて取り組んでいただけます。具体的なコースの内容は体験内容のページでご覧いただけます。
深みのある色合いが暮らしになじむ
べんがら染めで仕上げた作品は、日常のなかで使ってこそ味わいが増します。落ち着いた色合いは服装や部屋の雰囲気に合わせやすく、トートバッグや巾着、ストールといった布小物に染めると、長く付き合える一枚になります。
自然由来の色は、蛍光色のような強い主張がないぶん、飽きがきにくいのも魅力です。使い込むほどに手になじみ、暮らしの道具として溶け込んでいきます。人工的な鮮やかさとは違う、土のぬくもりを感じる色を、ぜひ手に取って確かめてみてください。
同じ色で染めても、絞り方や布の種類によって仕上がりは一つひとつ異なります。世界にひとつだけの色として持ち帰れることが、自然素材で染める大きな楽しみです。
お子さまにも取り組みやすい染色
べんがら染めは工程がシンプルなため、幅広い年代の方に取り組んでいただけます。簡単な絞り染めのコースなら5・6歳ごろから参加でき、家族で一緒に楽しむ方も多くいらっしゃいます。
染料を扱う際は手に色がつくため、小さなお子さまは保護者の方とご一緒に、汚れても差し支えのない服装でご参加ください。年齢に応じてご案内しますので、心配なことがあれば事前にご相談いただくと安心です。親子での過ごし方は親子・お子さまとのページでもご紹介しています。
まとめ
べんがら染めとは、土から生まれる自然由来の顔料で布を染める、深みのある落ち着いた色合いが魅力の染色です。色が染み込む工程がわかりやすく、手を動かしながら色の変化を楽しめます。
滋賀県大津市の染 YUI COLORSは、琵琶湖大橋のそばにある小さな染め工房です。べんがらならではの色を体験してみたい方は、初めての方へのページをご覧のうえ、気になる点は予約の際にお尋ねください。料金や所要時間は時期により変わる場合がありますので、あわせてご確認いただけると安心です。