
滋賀県の湖西エリアには、思わず足を止めたくなる景色が点在しています。高島市のメタセコイア並木や、湖上に鳥居が立つ白鬚神社は、写真好きにも人気の名所です。京都や大阪から高島市を目指すとき、その通り道にあたるのが大津市真野。琵琶湖大橋のすぐそばに、土から生まれた顔料で布を染める工房「染 YUI COLORS」があります。行き帰りにちょっと立ち寄って手仕事を楽しめば、移動の時間が旅の思い出に変わります。ここでは、高島観光とあわせた立ち寄りプランをご紹介します。
高島市の見どころ
高島市を代表する景色といえば、マキノのメタセコイア並木です。約500本の木々がまっすぐに続く並木道は、季節ごとに色を変え、新緑も紅葉も冬枯れの姿も、それぞれに趣があります。並木の間を歩けば、まるで絵の中に入り込んだような気分を味わえます。冬に雪をまとった並木は、とりわけ静かで凛とした表情を見せてくれます。
もう一つの名所が、白鬚神社です。琵琶湖の中に立つ朱塗りの鳥居は「近江の厳島」とも呼ばれ、湖と空を背景にした姿は神秘的です。時間帯によって光の当たり方が変わり、朝もやの中や夕暮れどきなど、何度訪れても新しい表情に出会えます。これらの名所は、大津から車で北へ向かった先にあり、湖岸の道をドライブする道中も心地よいものです。
行き帰りに真野で染め体験
高島市は大津から少し距離があるため、行き帰りのどこかで休憩を挟みたくなります。その立ち寄り先としておすすめなのが、真野の染め工房です。染 YUI COLORS は高島市と京都・大阪のちょうど中間あたりに位置し、道中に無理なく組み込めます。長いドライブの途中で体を動かし、気分を切り替えるのにちょうどよい立ち寄り先です。
ここで扱うのは、土から生まれた自然由来の顔料「べんがら」。布にのせると色が一瞬で染み込み、もみ込むことで定着します。時間を抑えて楽しみたいなら、約1時間の簡単絞り染めコースがぴったりです。輪ゴムやおはじき、紐を使って布を絞り、トートバッグや巾着を染め上げます。料金は一人1,500円(税別)からが目安で、作品は当日持ち帰れます。名所で撮った写真とあわせて、手で染めた品が旅の記録に加わります。
行きに立ち寄って染めた作品を持って高島をめぐるのも、帰りに手仕事で一日をしめくくるのも、どちらも味わい深いものです。すべて室内で行うので、天候を気にせず楽しめるのも、移動の多い旅では心強い点です。もう少しゆっくり取り組みたい方には、色を重ねるストール染めや、2時間ほどかける傘巻き絞りのコースもあります。料金や所要時間は時期により変わる場合があるので、予約時にご確認ください。
立ち寄りやすさとアクセス
真野の工房は、移動の途中に立ち寄る場所としての利便性が魅力です。琵琶湖大橋のすぐそばで、湖岸の道からアクセスしやすく、駐車場もあります。台数が多くなりそうなときは、事前にお知らせいただけると安心です。工房のある真野は堅田や雄琴まで車で約10分ほどなので、高島への道中に湖西の他の見どころを組み合わせることもできます。
工房は9:30から14:30まで1日4枠あるので、高島への出発前でも、観光を終えた午後でも、都合に合わせて時間を選べます。公共交通機関を使う場合は、JR湖西線「小野駅」から徒歩5分。湖西線は高島方面へも通じているため、電車の旅にも組み込みやすい立地です。詳しい行き方はアクセスのページをご覧ください。
移動時間を旅の一部に変える
離れた名所を結ぶ旅では、どうしても移動に時間がかかります。その時間を「ただの移動」で終わらせるか、「旅の一部」に変えるかで、一日の充実度は大きく変わります。道中に染め体験を挟むと、車での移動が単調にならず、旅にリズムが生まれます。並木や鳥居を眺めた記憶と、自分の手で色を作った記憶が、一つの旅の中でつながります。
家族連れなら、長距離の移動で子どもが飽きてしまう前に、体を動かして楽しめる立ち寄り先があるのは心強いものです。染め体験は5・6歳ごろのお子さまから楽しめる絞り染めもあり、車での移動続きで退屈しがちな子どもも、布を絞って色が現れる瞬間には夢中になります。友人同士なら、それぞれが染めた作品を見せ合いながら、続く道中の話題にもなります。移動の途中にひと手間を加えるだけで、高島への旅がより思い出深いものになります。
工房での体験はすべて屋内で行うため、季節や天候を問わず予定に組み込めるのも、遠出の旅では安心できる点です。冬に雪化粧のメタセコイア並木を目指す道中でも、暖かい室内で手を動かす時間を挟めば、体を休めながら旅を続けられます。名所の景色と手仕事の記憶が一日のなかでつながり、長い移動が単なる移動で終わらなくなります。
まとめ
高島市の雄大な景色と、真野での手仕事の時間。離れた二つの場所を一日でつなげば、移動そのものが旅の一部になります。名所をめぐる道中に染め体験を挟むことで、ただ通り過ぎるだけだった時間が、色として手元に残ります。次の湖西の旅では、行き帰りの立ち寄りに真野の工房を加えてみてはいかがでしょう。